しぜんと整う部屋。

マンション、1人暮らし

「くらしの空間は、整然としていてほしいので、持ち物の量と収まりどころを、しっかりと考えました」。和の間取りだった部屋をリノベーションした物件に住む、無印良品ではたらくスタッフの住まいを紹介します。

いまの住まいを選んだ理由はなんですか?

立地です。上京以来、同じ街に住み続けているのですが、“この街のどこか”というのが最大の条件でした。都心ですが、巨大な自然環境が目の前にあり、鳥の鳴き声で毎朝、目が覚めます。
また、内装と間取りも、立地と同じくらい決め手になりました。白くて角ばったしつらえと、無垢材の床、四角い空間と広すぎない面積が、希望と合いました。
ただ、元は和の間取りだったらしく、リビングやキッチンの壁面で、襖の高さまで天井から梁が出ていることが、気にかかっていました。これについては、日本の「尺」を基準に設計したステンレスユニットシェルフを梁の真下まで展開し、壁面収納のようにしつらえることで、悩みを解決しました。

どのような住まいにしたかったか、おしえてください

フラメンコの衣装や道具をはじめ、くらしの物量は多いです。ただ、住まい自体は趣味性を打ち出した“飾る空間”にはしたくなかったので、収納家具や収納用品が凹凸なく、デッドスペースもなく収まり、その中に持ち物がすべてしまえて、くらしの空間が広く使えることを目指しました。
また、見た目がすっきりと感じられる空間づくりを心掛け、ふだんから目に付くポリプロピレンの収納用品は壁の色となじみ、空間が広く感じられるよう、中身の見えないホワイトグレー色にしています。一方、クローゼットや収納扉の中は入れたものがわかりやすいよう、透けて見える無着色のものを選びました。

唯一、自作の陶器は見せて収納したかったので、キッチンのステンレスシェルフに、同じステンレス製のワイヤーバスケットを組み合わせて、ここにすべてを収めています。手づくりなので、見た目や大きさはばらばらの陶器たちですが、収納の素材に統一性を持たせることで、ごちゃついて見えないよう、工夫しています。

実際に使っている無印良品の商品で、おすすめをおしえてください

この住まいにうまく合ったという意味で、ステンレスユニットシェルフと、それにぴったりとはまる収納用品のそれぞれが、私のおすすめです。
キッチンのシェルフでは、棚間をオプションパーツで調整したりなど、じつは細かいアレンジもおこなっています。

収納用品や戸棚の中も、整頓しています。
ファイルボックスや、クローゼット上のソフトボックスなどの箱型収納は、中身をパラグライダークロスの仕分けケースで用途別に区分けすることで、箱の中にデッドスペースを出さず、かつ、すぐに取り出して使えるように工夫しています。
一方で、引き出しの中は、デスク用整理トレーやポリプロピレン整理ボックス、戸棚の中はポリプロピレンメイクボックスなどの小さな箱で仕切りをつくり、それぞれの物をしまう位置を明確にしました。

お気に入りの場所をおしえてください

森林に面している、ベランダ側のリビングです。ここで、窓を開け放ち、外の空気と音を感じながら、ぼーっと過ごすのが好きです。
リビングはキャンプ用のギアを日常づかいして、可動性の高いロースタイルでつくっているのですが、低い位置から窓の外を見上げると、ベランピングに近い雰囲気で巨樹の借景が楽しめ、自然を近くに感じられます。なかなかすぐにはキャンプにも出かけられないので、自宅でアウトドア気分を味わっています。

今後、自身のお部屋で改善したいところはありますか

以前の住まいで使っていたものを流用した箇所について、少しずつ最適化を進めたいです。たとえば、リビングのシェルフのうち、2段目と4段目に入れたファイルボックスは、以前の住まいで使っていたものがあふれている状態です。本当は棚の上下だけをホワイトグレー色にして、見た目のバランスを整えたいので、いつか手を入れたいです。

コーディネートをご提案するとき、意識していることをおしえてください

株式会社 良品計画 オープンコミュニケーション部 細川

株式会社 良品計画 オープンコミュニケーション部 細川

お店で相談を承るときには、くらしの中で、その人が大切にしていることを伺うようにしています。その上で、“しまう収納”か“見せる収納”か、木製の家具か金属製のシェルフか、具体的に選択肢を考え、どのようなくらしの空間をつくり上げたいのか、イメージを膨らませるお手伝いを進めます。

広くて、ものが多く、家具が凸凹した部屋ほど、日々の掃除や整頓の手間が増えがちです。
私自身、十代の頃に触れた音楽CDや書籍など、捨てられない思い出の物は多く持ち続けていますが、そのうえで、掃除や整理整頓は常に行き届いた状態を保ちたいと考えています。
なので、荷物の量をしっかり測ったうえで、それが収まり、かつ、なるべく部屋の中に凹凸のない空間づくりや収納を、お客さまにも提案しています。住まい自体は狭くても、体感的には部屋を広く、心地良く感じられることが理想です。

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